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覆面作家企画5 感想<Hブロック>
Hブロックの一言感想です。自分なりに感じた事をまとめてみました。
辛口な感想もありますが、突き放すようなことは書かないようにと心がけています。
※推理期間は終了し、正解発表がされていますが、正解を見ない状態でこれを書いています。ご了承ください。

H01「Where is the princess?」
 英語だと痛むはhurt、悼むはmournかgrieve。同音異義語を生かしたいのなら、舞台は外国ではなくて日本の方が良かったのでは? サスペンス作品としては綺麗にまとまっていると思います。読後感も○。

H02 Eve or Vandor
 視点切り替えをしているのに語ってることは二人ともほぼ同じなので、読んでいて少し単調に感じました。同じ事柄でもイヴとヴァンドールで全然別なことを考えていたら、面白かったかも。

H03 さようなら、おじさま
 読みながら、おじさまが悪い方に豹変しちゃったらどうしようと心配してしまいましたが、ちゃんと純愛ハッピーエンドになって良かった〜! 語りが上手くて、安心して読めました。

H04 さいわいのきみ
 最初、動物を擬人化しているのかと思ってしまいました(笑)。実に美しい、童話風の物語でした。言葉が丁寧に紡がれていて、読んでいる間ずっと周囲がキラキラ輝いているように思えるほど。登場人物の名前は和風メルヘンだけど、物語の町並みはヨーロッパ風かな?

H05 磐縒姫(いわよりひめ)
 私、試されてるんでしょうか。知識とか読解力とか色々と(汗)。淡々とした筆致から硬派な推理物かと思って読んでいたら、最後は神頼みでちょっと呆気にとられてしまいました。真相だけがぽーんと神隠しにあってしまったような感覚です。

H06 くれなゐの鬼
 和風ヒロイックファンタジー? 作品のノリが少年漫画ぽくて戦闘シーンをイメージしやすかったです。何となく「犬夜叉」の殺生丸とりんを想像しました。クールぶってるのに何だかんだで紅丸は人情家ですね。

H07 薔薇の娘
 一読した時は何て怖い話なんだ!と身震いしました。「本当は怖い○○童話」のような雰囲気。マリアはなぜミアに男たちの相手をさせていたのでしょうか? 母親の愛情が本当はミアに注がれているのに気付いたから? そして母親と同じ倒錯した愛を彼女に注いでいたとしたら……? ミア逃げてー、と言いたいところですがこの姉妹もすでに共依存の関係なのかもしれません。

H08 白雪異聞
 何とストイックで美しい主従関係である事か。プラトニックであるがゆえに、二人の関係はより一層深まっているような気がします。最後、姫様は戦闘経験がないのにもかかわらず、追手を一掃しちゃったのかしら。まぁ、これは伝承ぽいので、何人か斬り捨てつつ二人で脱出して、遠いどこかでひっそりと暮らしているのだと脳内補完しました。

H09 ミューズ
 この物語の語り手は共感覚の持ち主なのですね。ピアノの演奏シーンが一枚の絵画を鑑賞しているように思えて、素敵でした。
 レッスンを受けている姉よりもはるかに色彩豊かな音楽を紡ぎ出す弟。才能の差や自分の限界に気付いてしまう瞬間は、いつかは訪れてしまうもの。それをあえて告げない先生は優しいけど少し残酷かもしれません。

H10 水の、匂い。
 方言がいい味出してます。柔らかな表現に、陽だまりのような温かさを感じました。じいちゃんもユキも山も、皆温かい。優しい作品ですね。

H11 perfume of mystery
 ツイッター上で皆が「続きは?!」と叫んでいましたが、私は逆で「これで終わり」なお話なのだと感じました。甲斐犬、じゃなくてデカわんこな甲斐健のキャラのインパクトが強すぎて、事件がどうでもよくなっちゃったんですもの!(笑)ぶっ倒れたわんこ君を、即席の担架を作って運び出す警官ご一同様、手際良すぎです。きっと日常茶飯事なんでしょうね。

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好きな作品:
「H03 さようなら、おじさま」「H08 白雪異聞」純愛万歳!
「H09 ミューズ」才能の残酷さと美しさに惹かれました。
覆面作家企画関連 / comments(0) / - /
覆面作家企画5 感想<Gブロック>
Gブロックの一言感想です。自分なりに感じた事をまとめてみました。
辛口な感想もありますが、突き放すようなことは書かないようにと心がけています。
※推理期間は終了し、正解発表がされている時刻ですが、正解を見ない状態でこれを書いています。ご了承ください。

G01 黒と白の世界
 黒髪に黒眼はタブーの象徴なのか。でも実の父親に「お前は母親に良く似ている」と言われていますが、そうしたらお母さんもタブー扱い? あ、顔立ちだけが似てるってことなんでしょうか。
 為政者としては特に何もせず、現王を殺せばいいよね♪なんて無邪気に考える人がいい王様になれるはずはありませんね。ところで、王様の死はスルーなんでしょうか。カラスや王子は罪に問われないのでしょうか。そこが気になって仕方ありません。

G02 モノクローム・ガーデン
 世界はSFっぽいのに「預言者」がいるのが不思議な感じがしました。預言された赤子が種を蒔くと、なぜその植物が光を取り戻すのか? 植物の種類ではなく、なぜ蒔く人間が重要なのか? 細かい設定をもう少し知りたいです。

G03 feel×color×disteny
「デスティニーっ!」と叫びそうになりました。某アニメの影響です、気にしないでください(笑)。オーラも運命の糸も、運命の相手に巡り合ってしまえば必要ないってことですね。見えないことでまた葛藤も生じるでしょうが、それもまた人生の醍醐味ですから。あと、タイトルにスペルミスがありますよー!(小声)

G04 色づく君の居場所
 オンラインゲームの事はよくわからないので、作中の用語にも頭を「?」だらけにしながら読んでいましたが、面白かったですよ〜。仮想現実の中でも実際にプレイしているのは生身の人間。アヤノちゃんはゲームで現実逃避しているように見受けられますが、いつか淳君とリア充になれたらいいなぁ。

G05 君に捧ぐ青き花
 切ないなぁ……。セシリアの可憐な姿や儚さが目に浮かぶような、美しい作品でした。
上手い言葉が見つからなくて、申し訳ない。

G06 奏でる音色
 ミアの踊りの描写が素晴らしい! 彼女にもリアムにもしなやかな強さと、人生へのひたむきさが感じられます。この先色々あるだろうけど、二人なら乗り越えて行けるという希望を感じさせてくれますね。まずはミアの「金貨はいらない」告白からですな!(←おい)

G07 HINAKO
 成と雛子は何歳差なんだろうか……。色々とやばすぎるでしょう、この二人。
 最後の文章はちょっと説明的ですね。あそこまではっきり書かずに、雛子と日向子の違いを描けば、成の狂気と二人の行く末を暗示できると思います。

G09 君ありて幸福
 探し物は、目の前にあるのです――。色がないことを嘆き、それすら戻れば何もかも上手くいくと信じてきたアンナの人生ですが、アルノーが気付かせてくれたんだなぁ。

G10 闇夜に輝く七色の光
 ヘタレな主人公が、人との出会いと通して新たな一歩を踏み出した。そんな前向きな印象を受ける作品です。結花子さんによりかかっていた紗己ちゃんが、一瞬シャキッとして見えました。人生にはそういう瞬間が必要だと思う、うん。

G11 the day before you came
 おお、上手い。こんな風に、酸いも甘いも噛み分けた「人」の人生が垣間見える作品が読めると、嬉しくなってしまう私です。マノアの人生は退屈で平凡かもしれないけど、色あせてはいないと思います!

G12 星降る夜と僕ら
 駆け落ち!(興奮)二人の置かれた状況を考えると、この逃避行は決して楽しいものにはならないでしょうね。それでも作品全体が牧歌的で、ほんわかした空気が漂っているせいか、希望が感じられます。

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好きな作品:
「G04 色づく君の居場所」目指せリア充!
「G06 奏でる音色」ミアの踊りを間近で、いやかぶりつきで観たい(笑)。
「G11 the day before you came」上手いな〜!
覆面作家企画関連 / comments(0) / - /
覆面作家企画5 感想<Fブロック>
 Fブロックの一言感想です。自分なりに感じた事をまとめてみました。
辛口な感想もありますが、突き放すようなことは書かないようにと心がけています。

F01 狭間
 美味しいお茶とクッキーがいただけるのなら、私も狭間に落ちてみたいです(笑)。こういう不可思議系のお話の場合、ヒギンズ氏はともかく、お嬢さんの名前は明記しない方が読者が自分を投影しやすいのではないかと思います。

F02 覆面朗読会を始めましょう
 ああ、何て素晴らしい小品なんでしょう!読後、思わず感嘆の息を漏らしてしまいました。短い枚数の中に覆面朗読会というイベントをめぐる少女たちの心の機微がおさまってるなんて。イザベラ、ドロシーという二人の少女のキャラクターが生き生きと描かれていて、読みながら自分も一緒に覆面朗読会に参加しているような気がしました。
 あの時、ジュリアの役をドロシーに譲っていなかったら――それはそれで後悔するでしょうね。難しい選択です。自分の葛藤を受け入れて全てを許せるのは時間が経ってから。それをしみじみと実感できる作品でした。

F03 モノクロメトロ
 汚れてるとか汚れてないとか決めつけるのは、この登場人物がまだ幼いからなのでしょうか。人間生きていたらちょっと汚れたり、部分的に白さが残ったりするのよー、とおばさんは呟いてみる。
 この子がここまで自分を追い詰めてるのは、相手の策略でもあるのかなぁ。何にせよ、個人的にはあまり近づきたくない人たちです(苦笑)。

F04 ハートブレイク・ランニング
 舞ちゃんは真面目な子だなぁ。先輩の苦悩を受け止めてあげようとしたんだね。よしよし君は悪くないんだよ、と友達二人と一緒になって肩をポンポン叩いてあげたくなりました。

F05 いろはつき
 先生と生徒の恋は……いや、亜希ちゃんの片思いでした。多分、晃くんは指先にキスしたことも忘れてるでしょうね。進展するどころかかすりもしない二人の関係を生温かく見守りつつ、F04の舞ちゃん同様肩ポンして上げたくなってしまいましたわ。

F06 太陽と月の王国
 まさに一念岩をも通す、なお話。岩ではなくて竜の鱗でしたが(笑)。童話風のお話なのでさらっとまとめられてしまっていますが、一度滅びた国を復興させてまた栄えさせるのは並大抵の事ではないと思います。竜が奪った王子様のポテンシャルってどんだけー!?

F07 許し
 一人で冬山に登ったらダメでしょうが!(怒) すいません、主人公の苦悩の描写もいいし、よくまとまった素晴らしい作品だと思うんですが、根本的な部分で引っかかってしまって。真美さんの気持ちはちゃんと確かめたのでしょうか。彼女が彼に惹かれてるのは真実? 贖罪も恋も彼の独りよがりだったら、洒落にならないなぁと思ってしまいました。

F08 愛情木端微塵斬り、同情十把一絡げ
 思いが叶った瞬間に、終わる恋。ある意味ミロイはジャギではなくて別の何かに恋をし続けていたのかもしれませんね。
 タイトルが面白い〜。ジャギという名前から某有名少年漫画の登場人物が浮かんでしまって、ミロイと一緒に「Youはショーック!」と叫びたくなってしまいました。ものすごくくだらない感想でごめんなさい(笑)。

F09 絶筆「明赫」〜建館の由来
 インタビュー風の語りが優しい言葉で綴られているだけに、フェスの内面の闇が色濃く出ているような気がします。アリアには優しかったけれど、真っ白な絵の下に秘密を隠し、年月の経過と共に明らかになるように仕掛けるなんて、並大抵の情念ではないですよ。王子様、何を隠していたのでしょうか?

F10 俺 in QQ 24時
 私も救急車で運ばれた事があるし、指をざっくり切って「救急外来やってるところはどこ?!」って慌てた経験があるので、患者さん達の気持ちもわかります。客観的に見たら馬鹿馬鹿しく思えるほどの軽傷でも、本人からしたら不安でたまらないんですよね。ぶん殴られてしまったのは気の毒だけど、主人公が一皮むけるきっかけになって良かったと思います。

F11『四本の筆』
 彼女の絵を見てみたい。読後、すぐに登場人物の名前を検索してしまいました。トップに出たのは覆面作家企画でしたが(汗)。庶民に必要なのは(絵を手に入れる事も大切ですが)名作に触れる機会じゃないかと思うのですが……。
「四本の筆」が贈られた最初の絵画と言う事は、二人の友情はずっと続いたのですね。穏やかな結末に安堵しました。

F12 白蛾降る
 降る雪を蛾に例えるとは!描写力が見事です。彼女の歩んできた人生と最期はとても重苦しくて哀しいのに、美しいとすら感じてしまいました。せめて彼女の魂だけでも想い人の側に行けますようにと祈るばかりです。

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 好きな作品:
「F02 覆面朗読会を始めましょう」当ブロック中一押し作品!
「F08 愛情木端微塵斬り、同情十把一絡げ」
「F09 絶筆「明赫」〜建館の由来」「F11『四本の筆』」あ、両方とも絵画がらみだ。
「F12 白蛾降る」描写の見事さに嫉妬w
覆面作家企画関連 / comments(2) / - /
覆面作家企画5 感想<Eブロック>
Twitterでつぶやいた一言感想をまとめました。
辛口な感想もありますが、突き放すようなことは書かないようにと心がけています。

E01 魔石の彫金師
アリエナとロバート、二つの人生が交錯して見事な光を放っていました。最善とは言えない、悲しくてでも鮮やかな散り様でした。素晴らしい作品なのに、それを表現する技術が自分にないのが悔しいです。

E02 逃亡者
子供なのに苦労が多過ぎる健太の行く末が心配です。児童養護施設って、犬を飼ってもいいのかなぁ。ダメなんじゃないかと言う気がするのだけど……。チビに会えないまま終わってしまっているので、そのことも気がかりです。

E03 ピンク、黒、そして白
何てことのない、電車の中での女子学生同士の会話。このまま淡々と進むのかなぁーと思っていたら、途中で急展開になって驚きました。璃子ちゃんが垣間見せた表情が怖い。思いきろうとしている真緒ちゃんの行動も、解釈によっては前向きとも別の意味にも取れますね。

E04 七日間の幽霊
幽霊になってから始まる恋もある――などと考えてしまいました。真理さんが自殺を図った理由などが分かると良かったかな。ラストにかけて展開が早くなったので、伏線を回収しきれないまま恋愛話としてまとめられてしまったという印象を受けました。

E05 魔法
小〜中学生ぐらいの子供が絵具を買うのなら、絵の具セットでしょう。単色で買うのなら、切れてしまった色では?それを最初から単色で買うというのはどういう環境なんだろうかと考え込んでしまいました。妹への姉へのコンプレックスはうまく表現されていると思います。

E06 虹色の毒
毛色の変わった安楽椅子探偵(いや、BAR探偵?)ものかと思ったら、ラストにやられました。ところで最後の聡子さんの台詞、本当に言葉通りに受け取っていいんでしょうか。別の意味があるんじゃないかと勘繰ってしまう、ミステリ読みでした。

E07 海賊と白と菫
海賊にしちゃ「船長がお着きです」なんて口調が丁寧だなーと思っていたら、やはりそう来たか!ちょっと展開がバタバタしている印象を受けましたが、文章も綺麗だしすっきりとまとまっていました。やはり物語はハッピーエンドでないと。

E08 漆黒に咲く美しい花
タイトルを読んで「ああ、真っ黒い花なのね」と思っていたら違っていました。花の背景が漆黒なのですね。かなり短いので、もう少し枚数いっぱい使って、お話を膨らませてもよかったかも。

E09 BUN-BORG
これ面白いなぁ。アニメや漫画で見てみたいかも! 善司が裏のデュエルに参加しているのは、父親に会うためなのでしょうか? 試合に勝ち進めば父親と決勝戦で対決できるんですね!何と言うジャンプ的展開!だがそれがいい(笑)。あまり相手にされていない桜居君は可哀想…。

E10 Queen in the dark
うわあああラブロマンスだ!ハーレクイン的展開だ!きっかけは政略結婚だったけれど、本物の愛に変わっていく様が素敵でした。ルミエールは最初からイアンに好意を持っていたんですね。二人が幸せになりますように!

E11 赤い糸
舞台は現代と思われるけど、語り口は昔話のようですね。少しホラーっぽい雰囲気も感じられます。運命の相手を追い求め過ぎて、結局人生を無駄にしてしまった男の末路が哀れ。淡々としているけれど最後まで読ませる筆力が見事でした。

E12 錆色モノクローム
グワンは色覚障害なんだと思って読み進めていたら、後半で「目が見えない」とあったので少々混乱しました。目が見えないのならどこに何があるかはわからないのでは? いや気の流れで感じ取っているのか?面白いのに、そこに引っかかってしまったのが残念です。

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好きな作品・気になる作品は:
「E01 魔石の彫金師」「E06 虹色の毒」「E09 BUN-BORG」「E10 Queen in the dark」
「E11 赤い糸」
一つ増やしちゃいました(笑)。一番上手い!と思ったのはE11。前にも書きましたが、童話風とか昔話風作品って(以下同文)。過不足なく書くっていうのは技術が要ると思います。
覆面作家企画関連 / comments(2) / - /
覆面作家企画5 感想<Dブロック>
  Twitterでつぶやいた一言感想をまとめました。一部加筆修正しています。辛口な感想もありますが、突き放すようなことは書かないようにと心がけています。

D01 俺の妻の手作り弁当がまずいわけがない
古風で堅苦しくて可愛げというものから限りなく遠そうな喋り方(※褒めてます・笑)、栄養面はばっちりでも彩りとか見た目からくる食欲というものに全く考慮していない弁当(←これも褒めてます・笑)など、いちいちツボに来すぎです、妙子さん!でも俊介さんとはラブラブなのが実にいい。二人の慣れ染めが知りたいです。

D02 マジで恋するうんたらかんたら
登場人物の背景が見えないので、色々不明な点が。初対面のはずなのに三人とも妙に会話が弾んでいたり、高貴さんの友人とおぼしき語り手は最初からこの状況を見ているのにいきなり途中で割って入ったような描写になっていたり。香織さんに一目惚れした本人の心情をもっと描写しても良かったのでは? ノリと勢いで楽しむ作品かなと思いました。

D03 荒野のニンジン
ニンジンに始まり、ニンジンで終わる物語でしたね。出だしがニンジンなので、阿刀田高か星新一のようなお話かと思いましたが、意外にも正統派の剣と魔法ものでした。レフィカさん、ニンジン料理以外のレパートリーも増やして上げてください(笑)。

D04 彩色展覧会
宮沢賢治か長野まゆみを思わせる、透明感のある美しい雰囲気のあるお話でした。宝石の擬人化かと思ったのですが、「先生」が出てきて宝石たちの斡旋先を決めたり、最後の一文もあるので、「もしや宝石に見立てた人身売買か?!」などと物騒なことを考えてしまった事をお詫びします(笑)。

D05 キャンバス
百合っ気のある友情もの、かと思いきや最後のどんでん返しでやられてしまいました。最初は青かった空なのに、ハルとミツルの短いやり取りの間に美咲の心中で何が起きたのか。再読するたびに美咲と言う少女が分からなくなり、不安にかられます。

D06 透明な口付け
ゆかりは病弱ゆえに性別をたがえて育てられたのでしょうか。病気は回復することなく夭折したのか。一瞬、途中で佐江子さんの独白に登場する老人がゆかりの将来の姿かと思ってしましたが、よく読むと違うようですね。(ゆかりの母親に関する描写などから)
個々の描写が丁寧で美しくて、引き込まれる作品でした。

D07 色彩の守護者
危険な魔物退治をさせるのに素人二人を組ませるなんて!ここはやはりベテランと新人の組み合わせでしょう!(←個人的趣味・笑)
色彩の王に関する描写が少ないので、どんな王なのかイメージがわかず。もっと枚数があれば細かい説明もあったのかな? 惜しい点は多々ありますが、テンポが良くて面白かったです。

D08 ばら姫と枯れた魔女
童話風の物語なのに色々と深いですよ、このお話。矢車菊、大した女ですなぁ。実は全てが彼女の策略だったのではないかとつい勘繰りを。
冬将軍も、美人なら誰でもいいのかよ!(苦笑)
わがままで美しいばら姫の末路が一種のループ世界を暗示させて、上手いなと思いました。

D09 サイレント・カラー
扱っているテーマが興味深いのに、私の頭が悪いからなのか、詐欺事件やお金を取り戻したいきさつが理解できない!何度も読み返したのに、ぼかしてるところもあるのでしょうか、やはり分からなくて……。分かりたいのに理解できなくて、悔しいです。
お婆さんの武勇伝が中心テーマだと思うのですが、冒頭の色即是空についての描写でぼやけてしまっている気がしました。そのあたりをもっと分かりやすく書いてほしかったです。面白いのに、いろいろともったいない!
孫娘をろう者にしたり、お婆さんを外国人花嫁にしたのは、言葉によるコミュニケーションに制限をつけたかったからなのかな? 大地にしっかりと根を張らないひょろ長い木が、バベルの塔を暗示しているようです。

D10 祈りをあなたに
冒頭の、差別意識に溢れた歌詞がデキーの内面を象徴している気がします。ルゥリンにペンダントを上げたことで、彼女も変わっていくのかな? これから長い恋物語が始まっていく――そんな感じがしました。

D11 My colors
翔はなぜ美佳と婚約する気になったのだろうかと不思議に思うほど、彼女は幼いですな。しかし破談になったいきさつを考えると、どっちもどっちなのか? 別れを経験することで美佳は一皮むけましたね。

D12 Redbook/Bluewitch
人類が滅びへの道を突き進んでいる世界での戦い、世界を埋め尽くす青い薔薇。淡々とした語り口ですが、世界観も主人公の心情も分かりやすく描写されていて上手さにうならされました。物語はこれからといった終わり方ですね。主人公のこの先が気になります。

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好きな作品・気になる作品は:
「D01 俺の妻の手作り弁当がまずいわけがない」
「D06 透明な口付け」
「D08 ばら姫と枯れた魔女」
「D12 Redbook/Bluewitch」。

一押しはD08! 矢車菊に全てを持って行かれました(笑)。
童話風の作品って、相当上手い人でないと書きこなせないものなんだなーと感じたブロックでした。
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